子供の発達

とある保育士のことば その1

子育て切磋琢磨『いいんだよ』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・text by sachi

保育士という職業柄、日ごろから、働きながら子育てしているママたちと
関わっています。

ある自営業で夫婦共働きのご夫婦と可愛い一粒種の、3人家族のお子さん
をお預かりしていました。

核家族で、基本的に夫婦以外の大人は、子育てに参加できない環境
でした。
整体医院を開業し大変忙しい毎日を送っておられるのですが、
そのお子さんが、とにかくよく熱を出します。
予約がパンパンに入った日でも容赦なく高熱を出すお子さん。
「お熱が出ています。38度越えてい ますがお迎えに来ていただけますか?」
そんな電話にも「直ぐに迎えに行きます」と答えられない自分に、おかあさん
は罪悪感をお持ちでした。

午前中から39度越えたとしても予約に穴があけられないと、
お迎えが夕方になることも度々あります。

預かっているわたしは『一刻も早く病院に』と思うことがありました。
なぜ迎えに来てく れないのだろうか?
電話の後仕事を続けて平気なはずは無いけれど・・・そんな思いばかりつ
のっていた時、お母様が連絡帳に
“なぜこんなに熱が出るのだろう。仕事を
減らせというプレッシャーが次第に 強くなります。仕事と子育ての両立は難しいです。”
と書いてきました。
それを読んで私は、
『ああ、よかった。このお母 さんは気がついている。悩んでいる。』
と分かりほっとしました。

普段お会いしても表情のない感情を外に現さないお母様でした。
仕事に追われ、子育てに悩んでのことだったのかもしれません。
連絡帳にこう返事しました。
“私事ですが、長男を生み、保育園に預け始めたころの私と、今のお母様
の姿 が重なります。両立が難しいとお悩みのようですが、お子さんの身体を
一番に考えてお仕事もがんばっ てください。”

こう書いた後から肩の力が抜けたようにお母様の表情は柔らかくなり、
登園降園時に、お子さんに向けるまなざしも優しくにこやかになりました。
誰かに理解してもらいたかったのではないかな?
話を聞いて もらいたかったのかな?と思いました。

度々熱を出していたお子さんも、このところ体調もよく、1歳4ヶ月でようやく
歩き始めました。
目線が変り視界も広くなったせいでしょう。
いろんな物に興味を示し活発になってきま した。

ご両親が“この子はずっと前から歩けたのでは?”と疑うほどです。
実は、少し前からわたしたちの前では数歩ですが歩いていました。
もしや、可愛くて可愛くて抱っこばかりして いたのかな。
あるいは、それとも日々時間に追われてのことだったのかもしれません。

私も子どものはじめの一歩を見れなか ったので、その切なさや寂しさを
いろいろ思い出してしまいました。

でも、育児は育自。自分も子育てしながら、親として育てばいいんですから。
悩みながらの子育てで良いじゃないですか。
正解なんて一つじゃありません。

悩みながら 答えが見出せないままであっても時は過ぎ、
親も子もそのうち成長して行きます。
その後に分かってもいいじゃないですか。


それよりも私は、子育てに悩まない、無関心であることの方が問題だと思います。
あなただけじゃなくて、親となった人は何かしら悩んでいると思います。

ただ、自分たちが頑張っていることを、時には誰かに知ってもらう、
理解してもらうということで、育児のストレスがぐっと軽減されます。

そんな役割を担えたらいいなと、お子さんをお預かりする保育士である私も感じながら、
おかあさんに接しています。

また、ヒーリングマムでは、そんな思いをシェアしてお互いを認め合う役割も担えたら
素敵だなと思っています。
悩んでいるお母さん、疲れているお母さんへ。

周りに応援したいと思っている人、意外といるはずです。
言葉にして今の正直な気持ちを伝えてみてください。
意外に、多くの人は理解してくれて、共感して、味方になってくれますよ。

それだけで、気持ちがずっと楽になれますよ。